どうも、ちゅんタロスです。
大濠公園スタバ横でのストリートお悩みリスニングも開始から1ヶ月、
回数も10回を迎え、とうとうスタバのコーヒーを口にすることになりました。
今回はおれにスタバのコーヒーを届けてくれた、
累計9人目となるトーカーのエピソード。
果たしてコーヒーと共に運んできたのはどんな悩みだったのか。
それはコーヒーに負けないくらいビターな感情でした。
ビターな味には甘いスイーツが良く合う。
おれのリスニングがスイーツ的役割を果たせたかどうかは本編をご覧ください。
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その日は数日前には吹雪いていたのが嘘みたいに穏やかな天候でした。
おれはいつものようにスタバ横にベースを構え、
2023年ラストの活動を開始。
スタートから程なく、累計9人目となる女性トーカーは
「これ、差し入れです」と言って、スタバのコーヒーとクッキーを抱えて登場。
年末のくせに柔らかい暖かな日差しを受け、
開始早々に早速眠くなっていたおれには嬉しい差し入れ。
有り難くいただき、まだ熱いコーヒーを口に運びつつ、相手が話し始めるのを待つ。
「こういうカウンセラー?さんに話を聴いてもらったりするの初めてで。
何から話せばいいですかね」
そりゃそうか。
初めてだったら勝手も分からないのは当然か。
けど、前にしているのは白衣ではなく、
U.S.ARMYのフィットネスジャケットBLACK染めを羽織った男。
白どころか黒。
カウンセラーには程遠いスタイル。
緊張する必要は一切なし。
「話しやすいところ、お好きなところからどうぞ」
「ワタシのパートナーの親族に起きたトラブルに関する話なんです」
おれに促された彼女は、誰にも相談できず抱えていた、と言って少しずつ語り始めた。
どうやら彼女のパートナーの親族は警察も絡むトラブルに巻き込まれたようで、
それが原因で、この先その親族をサポートすることになるかもしれず、
自分の生活にも大きな影響を与えることになるかもしれないらしい。
その人とは考え方、価値観が合わないと常々感じていた部分もあったり、
そもそも彼女自身が仕事で転機を向かえていて、
自分に全く余裕がない状況も重なって、
正直、穏やかとは程遠い感情になってしまったとのこと。
「その人だって大変なのに、こんな感情が湧いてしまうのが酷く嫌で。
本来なら、心からサポートする気持ちにならないといけないんじゃないかって」
差し入れのコーヒーの苦味を際立たせるには十分な苦悩。
「どうなんですかね。 そりゃ、そう思えたら良いですけど。
普通にキツいんじゃないですか?
自分事として考えてみたけど、その状況はおれも余裕でキツいですよ。
だから、結構みんなそうなんじゃないですかね。
めちゃくちゃ普通のリアクションかもですよ」
おれは素直に感じたことを伝えました。
一切盛ることなく。
人は平穏を求める。
その平穏が脅かされる可能性が分かったら、
動揺したり、不安になったり、恐怖したり、とにかく平穏を守りたい、
って感情になるのは生き物だったら至極真っ当な反応なワケで。
そんな状況で普通でいられるのはドMか物語の中のヒーローくらいかと。
おれらは所詮ニンゲンなので。
「普通ですか?
ワタシは自分が冷たい人間なんじゃないかって思っちゃってて・・・・・・」
きっとそうなんだろう。
当事者だったら問題との距離がめっちゃ近い。
映画館の最前列でスクリーンを目の当たりにしているようなもの。
あまりの大きさに慄き、自分が小さく思えて余裕なんて持てない。
そして、罪悪感からか自分だけが小さい人間なんだって思いがちなのかもしれない。
問題に関して、今は落ち着いてはいるが、根本的な解決はしていないと言う。
おれは、また問題とたいじすることになったとき、
どう在りたいかのイメージはあるか聴いた。
「できれば、感情が荒ぶらないでいたい」
鍵となるのは『受け止め』と『共感』だと思い、それを伝えた。
理不尽は容赦なく降りかかってくる。
それは自分でコントロールできるものじゃない。
だったら、それは事実として受け止めるしかない。
抗うも降伏するもそのあとの話。
そして、大事なのは自分の湧いた感情に共感することだと思った。
良いとか悪いとか抜きにして、自分の本能から湧いた感情に対して
少なくとも自分は共感して良いんじゃないかな。
だって、自分を守るために湧いたものだと思うし。
そうして気持ちを必要以上に荒ぶれさせることなく、
問題から程よく精神的距離をとって対峙すれば良い。
映画もスクリーンから程よい距離があった方がシーン全体がよく見える。
1時間ほど話を交わし「気持ちが軽くなりました」と言って彼女は大濠公園を後にした。
コーヒーとクッキー代の元は取ってもらえただろうか?
ひとりになってから差し入れのクッキーと残りのコーヒーをいただいた。
柔らかな食感のクッキーの甘さがコーヒーの苦味と相まって、
おれをとてもスイートな気分にしてくれた。
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2023年最後のストリートお悩みリスニングは、
この後もう1名のトーカーとの会話を挟み、幕を閉じました。
人間はみんなちっぽけだ。
けれど、自分だけがちっぽけなんじゃないか、
って思い悩んだりする。
大丈夫。
みんな同じく大したことない。
だから、もがいたり抗ったりする姿がカッコよかったりする。
みんなちっぽけだけど、
ちゃんと自分の人生の主人公でドラマチックな日々を送っている。
この活動を通じて、そう思えてきました。
2024年もストリートお悩みリスニングは続けていきます。
来年はどんなトーカー達の出会いがあるのだろうか。
それでは、また。