「地球は青い。美しい」
 宇宙から地球を見た宇宙人はそんなことを思ったりするかもしれない。そして、うっかり着陸でもしようものなら、ゴミで汚れた街や戦争とかしている様を見て、げんなりするかもしれない。
 遠くからでは分からない、写真には写らないものはある。

 これは何も宇宙人から見た地球だけの話ではない。我々が普段魅力的、好意的に見える人、モノ。これにだって同じことは起こることは十分に考えられる。
 物理的な距離、関係性の距離が離れると見えないところは増える。相手が見せているモノくらいが見えて、見えない部分は自分に都合よく補完して。そうやってできた一部の実像と虚像の自分にとって美しいイメージ。

 見えていなかった部分が見えた時。
 それが自分にとって好ましくなかった時。
 人は幻滅する。裏切られた、くらいに思ってしまうこともある。

 騙そうと思って、嘘を実像として見せられていた場合は裏切りとイコールだけど、ただ見えていなかった部分に自分好みじゃないものがあったときは裏切りとは違う気がする。幻滅するのは良いが、被害者意識になる必要は無いだろう。

 細部まで自分にとって完璧なんてほぼ無い。自分にとって良いと思える部分と好ましくない部分はどちらもある方が多い。自分にとっての完璧があった時に超ラッキーと思えば良いのだ。