「限界を超えろ」
 これはどういう意味で使われるのだろう。「限界のラインを上げろ」的な意味か、「限界を迎えてもやり続けろ」という意味か。正直、ごっちゃになっている気がしなくもない。

 6月上旬に心身の健康状態の限界2歩手前で休職となったワタシは8/1から復職した。復職から1週間が経過した今、改めて思ったことを書き留めておこう。あくまで個人的見解として。

 私の復職先となったのは3月末まで所属していた部署。福岡の拠点では、スタメンとして立ち上げから在籍していた部署。ここには4ヶ月ぶりの復帰となる。
 復職初日。就業エリアに昇るエレベーターの中、ワタシの心臓はバクバクしていた。思い返すと、休職前の最終出勤日となった日の出勤時のエレベーターでも心臓はバクバクしていた。当時は身体が音を上げるメッセージとしての動悸で、今回は久しぶりという緊張的な感じと「どう受け入れられるのか」というちょっとした不安混じりの動悸。

 階に到着し、久しぶりに入室するフロア。すでに出勤済みのメンバーひとりひとりに「またお世話になります」と挨拶をしていく。返ってきたのは「おかえりなさい」「待ってましたよ」という歓迎してくれる気持ちと言葉。ありがたい話だ。
 そこから1週間。ギアを上げ過ぎないよう、徐々に慣らしつつ就業している。たった4ヶ月でも内容や運用に変化があり、そのブランクも少しずつ埋めていく日々。今のところ、順調にリスタートが切れている気がする。何より。

 朝はSUPER BEAVERの音楽を聴いて、気持ちを高めて出勤している。休職間際は、頑張るのがしんどかったこともありSUPER BEAVERの音楽が重くて聴けなくなっていた。しかし今は、聴くことで以前のように自分の力に出来ている。やはり復調したということなのだろう。

 復職診断は休職診断から1ヶ月後に出してもらっていた。適応障害は復職までの平均期間は1〜3ヶ月で、中には1年かかることもあるということなので、ワタシは早いほうだったと言える。
 きっとそれは、限界を超えなかったからだと思っている。それは「限界を迎えてもやり続ける」という意味でのだ。就業時以外にまで心身の影響が発現する手前だったので、復調も早かった。
 そして復調していく中で、ラインを上げる的な意味での限界を超えるアプローチを行った。それは考え方の幅を広げたり、感情面でのアプローチだったり。
 休職時の状態に戻るだけではなく、なるべく同じようにならない様に整えていった。

 今回の休職を経て思ったこと。
 「限界を迎えてもやり続ける」意味での限界は超えないほうが良くて、「ラインを上げる」意味での限界は超えていくのが良いということ。

 死ぬまで続く自分の人生を逃げないために、一時的に逃げることは無しではないのだろう。
 そりゃ挫折や失敗をしないで済むならそれが良いし、誰かに迷惑をかけなくて済むならそれが良い。
 ただ、挫折や失敗をしちゃいけない、迷惑をかけちゃいけない、と信念レベルで思っていると、自分だけでなく他人にも同じように無意識で求め過ぎて、気持ちがキツくなり過ぎるリスクがあるかもしれない。
 「そうならないに越したことはないけど、いざって時もあるよね」と感情と思考にキャパを設けておくと、自分にも他人にも持てる気持ちのゆとりが少し増えるかもしれない。

 ひとりだけど独りじゃない世界で生きていくうえで、持っておくとちょっと楽になる考えかな。これも今回のことで実感した考え。

 というわけで、再開と始まりを迎えた今、適応障害休職編はいったんのエンドロールを迎えたいと思う。