どうも、ちゅんタロスです。
今回の話は4人目のトーカーとのエピソード。
ストリートお悩みリスニングを始めた意味、価値を感じ、おれにとって重要なエピソードとなりました。
さて、その4人目とはどのような人だったのでしょうか。
それでは本編をどうぞ。
その日のおれは、これまで3回実施した警固公園から大濠公園に舞台を移していました。
職場の人に大濠公園でやろうと思っていることを伝えると、
「良いですね。スタバもありますし」
「犬の散歩している人が多くて良いんじゃないですか。スタバもありますし」
という具合に、二言目にはスタバ推しの発言。
それならば、とおれはスタバの横にベースを構えることにしたのです。
これで集客はバッチリか?
その日は11/23の祝日ということもあり、大濠公園は人の往来が多い、多い。
ランニングしている人、犬の散歩している人、家族・友人と散歩する人など。
隣のスタバも大盛況。
どんどん人が吸い込まれていき、店の外にもウェイティング状態。
おれはと言うと、スタバではなく途中のコンビニマシンで淹れたコーヒー持参。
持ち運びを考えて、タンブラーなんて漏れリスクがあるものでなく、200ml入る小さい水筒。
オシャレさも大事だが溢れたら服のオシャレが台無しなので、
完全に機能的価値に振り切ったスタイル。
昼食のパンやおやつもコンビニで仕入れたので準備万端。
スタバにあやかってコチラも大盛況ウェルカム状態。
これだけ人がいるんだから、警固公園よりヒト来るだろう。
通り過ぎる人は結構看板を見てくれる。
警固公園のときより反応あり。
やっぱりこれは期待できる。
が、現実はそう甘くなく。
見てはくれるが、折り畳みチェアに腰を下ろしてくれるまではいかない。
興味を持ってくれた人には警固公園の時と同様に、100万ドルの笑みを送る。
相手も80万ドルくらいの笑みを返してはくれるが、歩みが止まることはなく・・・・・・。
元来、人見知りであるおれとしては、
「ヘ〜イ、話してかない!?」
とポップに集客することまでは出来ず、強がった100万ドルスマイルが精一杯。
朝の10:30から始めたが、気がつけば12:00。
昼食の鶏メンチカツパンを食す。
読書したり、通る人に笑みを送る。
気がつけば14:00。
1本満足バーを食す。
また、読書したり、通る人に笑みを送る。
気がつけば16:00。
・・・・・・。
いきなり上手くはいかないか。
まぁ、大濠公園もデビュー戦だし、認知されてないし、
こんなことやってるヤツほとんどいないだろうから、なかなか足を止めないわな・・・・・・。
などと自分を納得させ、帰ろうかなと思った時、
ひとりの初老と思われる男性が自転車を止め、マジマジと看板を見つめている。
「宗教か何かかい?」
「いえ、まったく」
頷いた男性は少し自転車を進める。
そのまま去るかと思いきや、男性は自転車を止め、折り畳みチェアに座ったのです。
「実は、もう7年も近隣トラブルに悩まされているんだ」
そう語り始めた男性。
おれは話に耳を傾け、傾聴モード。
プライバシーの観点から詳細は伏せるが、
同じマンションの住人とトラブルになっていて、管理会社や警察も絡んだ展開になっているらしい。
トラブルのせいでろくに寝られない日々を過ごしているらしい。
状況がさらに思わしくないのは、管理会社も警察もこれ以上どうしようもない、って感じってところ。
「先生、どうしたらいいだろうか」
自分より30歳くらい若いおれを「先生」呼ばわりしてくれる男性。
でも、警察もお手上げトラブルについて、ただのお悩みリスナーのおれに解決策などあるわけが無かった。
「お父さん、残念ながらおれには解決の引き出し無いですね」
正直にそう言うしかない。
「そうだよな。わかってたよ。専門外だろうし、こんなこと言っても困らされるだけだろうって。
でも、話したかったんだ。聴いてほしかったんだよ。
今、自分は独り身で子どもにも迷惑をかけたくないし。
誰かと一緒なら気持ちとか共有できるけど、独りだと抱えるしかなくてね」
お父さんのこの言葉を聴いて、おれはこんなことを始めて良かった、
誰かの役に立つことができるんだな、って思うことができました。
何の解決策も出せなかったおれだけど、
そのあともお父さんの娘さんたちの話を聴いたりして、
トータル1時間くらいの時間を過ごした。
「やり続けていれば、いつかきっと芽が出る時がくるよ。頑張って」
そう言って去っていったお父さん。
おれは、お父さんが今日はいつもよりかは寝られると良いな、って思って見送りました。
こうして大濠公園のデビュー戦は幕を閉じました。
次からの励みも心に受け取って。
そしてこの話を書いている今日を含め、
そのあと3回大濠公園のスタバ横でベースを構えてるけど3戦3敗。
お父さん以降は誰とも話せていない回が続いています。
それでも、このお父さんみたいに役に立てる可能性がある限り、
おれは仕事が休みの度に大濠公園に立ち続けようと思ってます。
看板を書き換えたり、ちょっと頑張って声をかけてみたり。
少しずつ試行錯誤しながら。
次に話をする人はどんな人かな。
それでは、また。