良いか悪いか。成功か失敗か。正解か間違いか。是か否か。幸か不幸か。好きか嫌いか。白か黒か。トマトパスタかクリームパスタか。
 物事をこのような二元論で捉えることがよくある。でも、そんなきっちり線引きできるものだろうか。また、その時の線引きがまるで消えない彫り物のように不変なものなのだろうか。

 過去の失敗は未来の成功かもしれない。誰かの嫌いは自分の好きかもしれない。昨日良かったことが今日には悪となっているかもしれない。
 実った100年の恋での天にも昇る気持ちだって1年後には地の底に落ちているかもしれない。世間の普通に挫折したあと、オンリーワン的に花開くかもしれない。
 不幸の中にも幸せがあるかもしれない。好きなものの中にも嫌いな部分があるかもしれない。誰かからは賞賛され、誰かからは避難されるかもしれない。

 見方、時間、人、いろんな切り口で変わる。ひどくいい加減で曖昧。瞬間瞬間で一喜一憂しがちだけど、憂い過ぎる必要はないのかもしれない。唯一の解、意味を求めるなんていうのは幻想でナンセンスな気もしてくる。どっちかなんて、実は大した問題にしなくて良いのかも。だって変わるかもしれないんだし。

 自分にとっての意味は自分の意志なんだけど、考えるのに疲れ切ったり、良い感じに意味づけできなさそうだったら、とりあえず置いといてみてはどうだろうか。

 パスタだったらトマトクリームパスタという手もある。