どうも、ちゅんタロスです。
2024年になりました。
元旦から大きな災害や事故が起きておりますが、
おれはおれで自分の手の届く範囲、背負えるものだけ背負って
日常を紡いでいこうと思っております。
というわけで、できることの一つとして、
肩肘張らずに書ける、読めるショートエピソード第2弾をお送りしようと思います。
少しでもクスりとさせられたり、ほっこりさせられたらおれの勝ちです。
第1弾同様、大濠公園でのストリートお悩みリスニングの中から、
ひとつひとつでは弱いエピソードのアソート回です。
それでは本編をどうぞ。
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③イエホンお父さんエピソード
あれは『赤坂ウィークリービジター』の方がリピート訪問してくれた日でした。
そのエピソードを新鮮なうちにブログに書き起こそうと執筆している中の出来事。
「何やってんの?」
斜め後ろから現れたご年配の男性がとても大きな声でおれに話しかけてきました。
その手の質問には慣れてきた頃だったので、
要領を得た返答をしたのですが、
「えっ? 何?」
もう少し大きな声で再度説明をします。
「そんなの看板出さないとわからない。 出したほうが良いよ!」
相変わらずの大きな声でアドバイスをくれるのです。
斜め後ろから現れたから気づかないのも仕方ない。
おれは東急ハンズで買ったオシャレなブラックボードを指差し、
看板を出していることを教えてあげました。
「こんな小さくちゃ分からないよ! これくらい大きいのじゃないと」
そう言って、まるで幼な子のように手を目一杯広げてアピールしてくれます。
「そんな大きくちゃ持ってこれないでしょ!」
おれも思わず大きな声でツッコんでしまいました。
おれの負けです。
せっかくの出会いなので、折りたたみチェアに促し、少し話すこととなりました。
その男性はおれの2倍の年齢の大先輩で、累計7人目のトーカー、
ラッキー7だと教えたら「ガッハッハ!」ととても喜んでくれました。
その方はいくつもの会社の会長?をしているとのことで、
悩みを聴いてみると「彼女がいないこと」だと言う。
その他にも、最近の若者は向上心などの欲が無くなった、
責任を負うのを好まず、それなりで良い、ということも話してくれた。
そのやりとりの中、お父さんはずっと大声だし、
おれが言ったことの7割を聴き返してきました。
おれにはその理由が分かっていました。
登場からずっとイヤホンをしたままなのです。
「こういったことを無料でやっていると、徳を積んで良いことあるよ」
初日のトーカーの和彫りのお兄さんと同じく、
テンションが上がることを言ってくれたのと、
イヤホンの色が黄色でオシャレアイテムだとおもったので、
「イヤホンを外したらどうですか」とは言わず、
最後までお父さんのボリュームと聴き返しに合わせました。
元気をもらいましたよ。
ありがとう。
イエローイヤホンお父さん。
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④ほっ!カイロなエピソード
あれは福岡では珍しいくらいの吹雪の翌日。
雪と風は無いけど、前日と変わらない寒さの日。
おれは2連休だったので、極寒の中の2Days実施でした。
重ね着をし、ZIPPOのハンディウォーマーで暖を取りながら、
いつも通りにトーカーが現れるのを待っていました。
っていうか、寒すぎてそもそも大濠公園に人が少ない・・・・・・。
そんな中、アジア圏の家族連れがやってきます。
その中のパパさんが看板の脇にあるアイテムを指差し、声をかけてきました。
「What?」
パパさんの指した指の先に置かれていたのは使い捨てカイロ。
冬でも路上リスニングというアウトドアスタイルのため、
トーカーさんに上げるために用意しているもの。
「KAIRO!」
英語っぽく発音して答えてみましたが「?」という表情。
困った。
カイロの英語なんて知らないし、そもそも英語自体話せない。
寒さのせいか、文明の利器であるケータイで調べるということにも頭が回らず、
「Hot!」
とヤケクソ気味に答えてみたところ「!」という表情になり、「通じた!」と内心ほっとしました。
「How much?」
えっ? 買いたいの?
困難は次々にやってきます。
おれの本業はサラリーマン。
副業禁止なので、ここでカイロを売ったら懲戒処分も覚悟しなければならない。
カイロを売ってクビになる、というエピソードも面白いけど、おれは素直にこう言いました。
「Not for sale! プレゼント!」
ひとつ差し出すと、パパさんは「Thank you!」と言って喜んでくれた。
おれはJAPANの好印象にひと役買えたことに安堵しました。
「これで徳を積んだから、このあとトーカーが現れるぞ」
そう心で思って、温かい気持ちになって、チェアに腰を下ろしました。
結局、そのあと誰も現れず、ただ外人さんにカイロをあげただけの日となった、とさ。
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いかがでしたでしょうか。
こうして書いてみると、我ながらそこそこ面白いエピソードですね。
教訓とか学びとか何もないけど、ゆるい気持ちになってもらえれば、それなりに価値はありますかね。
それでは、また。