はじまりに戻る時、それはゼロに戻るのと同じなのだろうか。はたまた、終わった時からの地続きなのだろうか。
約2ヶ月ぶりの会社復帰。その間には梅雨が始まって終わり、気がつけば猛暑日とか言われる時期になっていた。それが、自分にとって長かったのかあっという間だったのか。
戻ってきた場所は1周回ってはじまりの場所。そこから離れて4ヶ月。離れた時とまったく同じ心持ちでのリスタートなのかと言われると、それは違うのだろう。何せこの2ヶ月間、ひたすら自分と日差しと向き合ってきたのだから。
セロトニンを産生するには散歩と日光浴が良い、ということで、晴れの日も雨の日も欠かさず外に出てひたむきに散歩した。
加えて、晴れた日はベンチに座り、太陽からの直射日光を受け止めた。それは暖かいなんて生やさしいモノじゃなく、ヒリつくくらいの強さ。
セロトニンが増えたのかは目に見えないから分からない。分かるのは、とにかく肌が黒くなったということだけ。ふと右手人差し指に目をやると、ウインナーのように焼けた肌に挟まれるリングの跡。リングに守られた箇所だけ魚肉ソーセージの色味。ウインナーも魚肉ソーセージも、どちらも美味いのでまぁ良いだろう。
本も10冊以上読んだ。主に心理学やカウンセリングに関わる内容。それらをインプットして、自分の声に耳を傾けた。余計な解釈をせず、とにかく自分の中から出てくる言葉を傾聴していく。そうすると、自然と導かれたりするから不思議なものだ。やっぱり傾聴は大切なんだな。
それで人間は変わるのか。
正直、そんなに簡単に変わらないだろう。42年かけて積み上げられたものは、そうそうガラッと変わるもんじゃない、と思っている。
でも、不変っていうこともない。時代も世の中も変わるのだ。人間だって全く変わらない、なんてこともない。
はじまりの場所に戻った今、361°の方向でリスタートする気がしている。1周まわった上での次の1°。そのたった1°は、進めば進ほど元の方向で進んで辿り着いたであろう場所とは離れていくのだ。たかが1°をナメちゃいけない。
生きていると色々ある。どうにか出来ることもあれば出来ないこともある。むしろ自分でコントロールできないことの方がほとんどだ。半分諦めてそれを受け入れる。その上でどうするか。
「ダメだ」と思ってしまうことは起きる。でも「終わった」と思ったそこは終わりじゃないんじゃないだろうか。日々を送る限り、話は続いていく。なら、それは伏線になる可能性がある。 その度にまた1周回って、その1°先、1歩先へ歩けばいい。
それぞれに頑張っていこう。